2026年09月14日
親子で家族信託の契約前に整える信託財産と関係図

親子で家族信託の契約前に整える信託財産と関係図
家族信託を検討する際、最初につまずきやすいのは「誰が、何を、誰のために管理するのか」という整理です。信託財産、受益者、受託者の関係図を契約前に描くと、家族内の認識違いを減らし、将来の管理負担も見えやすくなります。戸丸和夫事務所では、家族信託を考える方に向けて、判断材料を分かりやすく整理する姿勢を大切にしています。
目次
- 家族信託の関係図で確認する基本の役割
- 信託財産に入れる財産と外す財産の考え方
- 受益者と受託者のずれを防ぐ契約前の確認
1. 家族信託の関係図で確認する基本の役割
家族信託の関係図では、主に委託者、受託者、受益者を整理します。委託者は財産を託す人、受託者は信託財産を管理する人、受益者は利益を受ける人です。
たとえば、親が自宅や預貯金を信託財産とし、子が受託者になる形があります。この場合、受益者が親であれば、財産管理の目的は親の生活費や医療費への備えになります。意外にも、受託者が「自由に使える財産」ではありません。あくまで受益者のために管理する財産です。
2. 信託財産に入れる財産と外す財産の考え方
信託財産には、不動産、預貯金、株式などが検討対象になります。ただし、すべてを家族信託に入れればよいわけではありません。
確認したい項目は次の通りです。
- 管理が必要になる時期
- 売却や賃貸の可能性
- 生活費として使う予定
- 相続時の分け方との関係
特に不動産は、名義や登記の扱いが関係します。預貯金は、日常生活費との区別が必要です。信託財産を広げすぎると、受託者の事務負担が増えます。反対に狭すぎると、認知症対策として十分に機能しないことがあります。
3. 受益者と受託者のずれを防ぐ契約前の確認
関係図で見落としやすいのが、受益者と受託者の心理的な距離です。受託者には、信託財産を帳簿や通帳で管理し、受益者のために支出する責任があります。
契約前には、次の点を家族で確認しておくと安心です。
- 受託者が管理できる財産の範囲
- 受益者の生活費や医療費の支払い方
- 受託者が判断に迷った時の相談先
- 他の家族への説明の仕方
家族信託は、契約書だけで成り立つ制度ではありません。信託財産の範囲、受益者の利益、受託者の権限を関係図で可視化しておくことが、将来の誤解を防ぎます。戸丸和夫事務所としても、家族が納得して前に進めるよう、早めの情報整理をおすすめしています。